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客単価アップによる飲食店の売上アップ法

   

このページでは、飲食店の客単価アップ方法について解説します。
飲食店舗の売上は、客単価アップを通じて簡単に増やすことが出来ます。しかし、客単価アップで陥りがちな過ちが、単純に値上げをしてしまうケースです。全体的な値上げは、既存のお客様の不満足に繋がる可能性があります。良く見かける悪い客単価アップ例としては、消費税増税や材料費の高騰などを理由に値上げをしてしまうケースです。それをいくら、お客様に向けて、その社会情勢の変化を開示しても、お客様は納得してくれないでしょう。お客様の立場から考えると、それは、あくまでもお店都合の理不尽な値上げだと捉えられてしまいます。

「あなたのお店では、理不尽な値上げを実施していないでしょうか?」

継続的なお店の売上アップに繋げるためにも、客単価アップは、なるべく来店している既存のお客様に気づかれないように実施すのがポイントです。もし、商品の価格が上がったことに気づかれてしまうと、「前より高くなった!」などと、お客様の不満に繋がり、今後リピートしてもらえなくなってしまうでしょう。

客単価アップ方法には、いくつかの方法があります。その方法を把握することで、どんな飲食店でも、客単価アップに繋げることができ、最終的には、お店の売上アップに繋げることが出来るでしょう。このページでは、正しい客単価アップの方法について説明します。

飲食店では、何故客単価アップが必要なのか?

飲食店コンサルティングを実施していると、経営者の方から
「客単価の上げ方を教えてほしい!」という質問を良く頂きます。

飲食店の売上は、

売上=客数×客単価

で表すことが出来ます。

つまり、客単価を上げることは、お店全体の売上アップに繋げるための近道なのです。
単純に月間の客数に増加分の客単価をかけるとその分がその月の売上増加分になります。
例えば、月間1000人が来店している居酒屋の場合
現在の客単価:2800円
売上=1000人×2800円ですから、その月の売上は280万円になります。
この居酒屋の客単価を200円上げることが出来れば、
1000人×3000円=300万円と20万円も売上を増やすことが出来るのです。
客単価を上げただけで、売上全体が7%も上昇したことになります。
20万円というと、社員一人分の給与に等しい金額です。
上記の例からも、客単価アップは、お店の売上アップに繋がる効果的な方法だと言えます。

しかし、客単価アップを実施する上で注意が必要なのが、単価を上げすぎてしまわないことです。現状2800円の居酒屋の客単価を5000円にすることは出来ません。5000円にするためには、業態転換を伴うリニューアルが必要です。客単価は、飲食店のコンセプトやターゲット、そして市場価格により通常決定します。そのため、コンセプトから大幅に乖離した客単価にすることは出来ないのです。
また、客単価アップにより顧客満足度ダウンに繋がるようでは意味がありません。肝心の客数が減少してしまっては、長期的、継続的なお店の売上アップに繋げることが出来ないでしょう。客単価アップはしっかりとした計画をもとに実施しなければ、お店のマイナスイメージに繋がることがあるので注意しましょう。

飲食店の主な客単価アップ方法

客単価を上げるためには、いくつかの効果的な方法があります。
以下に主な客単価アップ方法をご紹介します。
オススメ商品の導入による客単価アップ
追加オーダーの促進による客単価アップ
商品の値上げによる客単価アップ
商品構成の改善による客単価アップ
生ビールの値上げによる客単価アップ
集客商品の値上げによる客単価アップ
宴会メニュー導入による客単価アップ
この他にも客単価アップ方法はたくさんあります。

客単価アップ方法は、大きく2種類に分類することが出来ます。

一つ目は、お店の商品全体の構成や、コンセプトそのものを少し変更する広義での客単価アップ方法です。この方法の特徴は、そもそもの客単価設定を上げるところにあります。簡単な例を上げると、お店の商品全体を10%上げるなどの政策があります。お店の商品を全て10%上げると、単純に客単価も10%上がることになります。この方法は、主に、社会情勢の変化に対応する時や、お店をリニューアルする際に実施することが多いです。最近では、私のクライアント先でも、消費税の増税に伴う商品全体の値上げを実際に実施しました。

二つ目は、細かい政策を組み合わせる狭義での客単価アップ方法です。これは、季節やお客様に合わせて、様々な客単価アップ政策を実施する方法であり、普段の営業の中でより高い商品や、注文点数を増やすように促進するのが特徴です。例えば、「客単価の高い宴会を宴会客に常にお勧めするようなオペレーションを組む」や、「良くアルコールを注文するグループに限定して、追加の注文を絶えず促す」などが挙げられます。

私の実施する飲食店の客単価アップ方法は、上記の方法を両方とも組み合わせながら実施する方法を採用しています。私のクライアント先では、毎年4月の年度始まりに必ずメニュー改定を行い、全体的な値上げを実施しています。ある居酒屋では、お伺い当初の客単価が2800円だったのに対して、4年目となる現在は、客単価が3200円まで上昇しています。つまり、年間10,000人来店しているお店の場合、年間400万円も売上が増加したことになります。そして、同時に、定期的に様々なフェアーやイベントを組むことで、より単価の高い商品などを導入しお店の客単価アップに繋げています。

飲食店は、定期的にオススメ商品を導入して、客単価アップに繋げよう!

客単価アップのために、必ず実施する方法であり、メジャーな方法の一つがシーズン商品の導入です。これは、その季節ごとの材料を使用した商品や、気候に合わせた商品を導入する方法です。季節商品は、その時期にしか食べることが出来ないというプレミアムが付くため、通常商品の平均価格よりも1.3倍~1.7倍高い値付けをすることが可能です。客単価アップのためにも、定期的にオススメ商品を導入することは効果的です。私のクライアント先では、最低年間4回、各四季に合わせてオススメ商品を導入しています。多いお店では、毎月、その月の月替わりオススメ商品などを導入することで客単価アップに繋げています。

飲食店は、サービス力アップで、客単価アップに繋げよう!

最も一般的な方法が接客を通じた、客単価アップ策です。特に居酒屋などの滞在時間の長いお店では、定期的にスタッフがドリンクの追加などを促すことで、客単価アップに繋げることが出来ます。より効果的に追加商品を促進するためにも、お客様に合わせてオススメする商品を変えると尚効果的です。飲み中心のサラリーマングループには、グラスが空いたタイミングで追加ドリンクを促し、会話や食事中心の女性グループには、デザートをオススメするなど、お客様のグループの性質に合わせて商品をオススメすると効果的でしょう。その他のラーメン店なのどの単品業態でも、注文するタイミングでスタッフがトッピングやセットメニューをオススメすることで客単価アップに繋げることが出来ます。

飲食店、夜の業態は、宴会メニュー導入で客単価アップを狙おう!

主に、夜営業している飲食業態は、宴会メニューを有効活用することで、客単価アップに繋げることが出来ます。宴会を実施するお客様には、必ず予算が存在しています。その予算に合った宴会を提案することで、予算マックスの客単価にすることが出来ます。さらに、飲み放題プランを組み合わせることで、通常の客単価より高い宴会を組むことが出来ます。因みに、飲み放題プランは、客単価はあがるものの、利益率が下がりますので、お料理だけの宴会の方が個人店向きです。客単価の高い宴会促進のためには、予約の電話の際に注意が必要です。例えば、数種類の宴会を実施している場合、安い宴会から順にお客様に説明してしまうと、すべての宴会に辿り着く前に安い宴会に決定してしまうことがあります。そのため、なるべく高い宴会から順に説明し、高い宴会の注文を促すようにすると効果的でしょう。また、宴会の品数も価格により差別化すると効果的でしょう。価格の最も安い宴会よりも最低2品増やすことで、他の宴会のお得感を演出することが出来ます。しかし、昨今の経済状況の中、年々会社ごとの宴会予算は下がっていると言われています。

飲食店は、注文率の多い商品の値上げだけでお店全体の客単価アップが達成できる!

この方法は、私がコンサルティング先で必ず実施している方法であり、最も効果的な客単価アップ策です。それは、自店のウリ商品や、必ず注文される商品などの値上げによる客単価アップ方法です。まず、ウリ商品の値上げに関しては、現状最も注文率が多い商品で、尚且つリピーターに繋がっている商品を値上げしましょう。しかし、単純に値上げすると、「高くなった!」と思われてしまう為、見せ方や表現方法を変えることで、単純に単価を上げるだけでなく、より良い商品に生まれ変わらせれるという二つのメリットを受けることが出来ます。例えば、ボリュームを増やす、提供方法を変える、演出を加える、ネーミングを変える、こだわりを伝えるなどの方法で商品の単価を上げることが出来ます。実際に、ねぎ間の大きさを2倍にして、単価を上げることで、お店の全体の客単価アップに繋げている焼鳥屋もあります。
そして、必ず注文される商品に関しては、全体の注文の占める割り合いの最も高い商品を値上げすることで、お店の客単価を上げることが出来ます。居酒屋でいう、ビールなどが必ず注文される商品であり、ビールを値上げすることで客単価アップに繋げることが出来ます。そのため、ビールなどの商品は可能な限り、10円でも20円でも値上げすることをお勧めしています。私の良く実施する政策としては、ビールを50円単価を上げ、二番目に注文されているドリンクを値下げします。例えばハイボールなどです。これにより、ビールの単価アップ分を緩和することができ、より利益率の良いハイボールに注文を移行させることが出来ます。結果的に単価アップと利益アップを同時に達成することが出来ます。

飲食店は、年一で商品改定を実施し、客単価アップを目指そう!

大手などの飲食店では、必ず年一回から二回の商品改定が行われています。これは、市場の変化が著しく早いため、その変化に対応するための対策であり、陳腐化を防ぐための方法でもあります。例えば流行りものなどをメニューに取り入れている場合、その商品が時代遅れになってしまった場合には、メニューから外す必要があるのです。そうしなければ、古い商品を未だに提供している、時代遅れのお店と認識され、お店の陳腐化に繋がってしまうのです。
私は、このメニュー改定を商品の単価を上げるために活用しています。コンサルティング先のお店のメニュー改定の際には、必ず商品の値上げを実施しています。しかし、単純にすべての商品を値上げしてしまっては、値上げした事実にお客様も気づくため、いくつかの方法を取っています。①全商品を値上げせずに注文率の多い商品を値上げする。②メニュー表を一新し、見せ方を大きく変える。③値下げする商品も作る。などが、私が実施している方法です。

注文率の多い商品を値上げするだけで客単価アップ

注文率の多い商品は、基本的には必ず値上げします。他の商品を値上げしなくても、注文率の高い商品さえ値上げすることが出来れば、それだけで客単価アップに繋げることが出来ます。

メニュー表を大幅にだけで客単価アップ

メニュー表を一新することで、メニューが変わったことを伝えます。メニュー表そのものを大幅に変えることで、「メニュー全体が変わったから、単価も変わりました。」ということを伝えるのがポイントです。まったく一緒のメニュー表で単価が上がれば、すぐに気づきますが、メニュー表の構成が変わっていれば気づきにくいものなのです。

客単価アップは値下げが大切

値上げと値下げを上手く組み合わせることがより効果的な方法です。値上げばかりしてしまうと、お会計時に、「高い」と感じてしまうお客様も現れてしまう可能性があります。そのため、高粗利商品の一部を値下げすることで値上げした分を緩和します。客単価は、上げすぎてもマイナスであるため、毎年少しずつ上げるのがポイントです。

飲食店の客単価アップに潜む落とし穴

これまでは、客単価の上げ方について説明してきました。しかし、忘れてはいけないのが、飲食店の客単価はコンセプトにより決定するものです。そのため、過度の単価アップ政策は禁物です。やりすぎてしまうとコンセプトのブレに繋がり、客離れに繋がってしまうでしょう。そして、もう一つ、客単価を上げることに集中しすぎると利益率が下がってしまう現象が起きることがあります。これでは本末転倒ですので、折角の客単価アップ策を実施してもマイナス効果になってしまいます。そのため、客単価アップ政策を実施する際には、単純に「この商品を10円上げよう!」などと大雑把に決めるのではなく、商品コンセプトや、それぞれの商品の市場価格をしっかりと分析した上で決定する必要があるでしょう。

 - 飲食店の売上を上げる方法

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